2022年10月5日水曜日

ブレーキの重要性

移住から約2ヶ月経過して、だいぶ落ち着きました。

最近の休日は、近所のコース開拓に忙しいです。

近所の海や川のコースはだいたい把握済み。

近所の海

近所の川

山エリアを現在開拓中です。

静岡は面積が広いですが、大半は山なので、良い感じの激坂が豊富にあります。

毎朝始業前に30分ぐらい(10kmぐらい)近所を走ってますが、自宅から300mほどの所にも程よい激坂があり、短時間で体力をガッツリ消耗できるのでよく使ってます。

以前居住していた足立区を含む江東5区(足立区、葛飾区、墨田区、江戸川区、江東区)のエリアは、海抜ゼロメートル地帯とも呼ばれるだけあって坂が全く無かったので、山を走ると新鮮な気分になります。西岸にある荒川ロックゲート(江戸川区)あたりにそこそこの坂がありますが、山と比べると平坦も同然です。

山の上り坂は気合だけで何とかなるから良いのですが、下り坂はかなりブレーキを酷使します。調子に乗ってスピードを出すと死ぬレベルの急勾配なので、万が一ブレーキを作動しなかったらとても危ないです。多分時速70〜80kmぐらいは出るんじゃないかな。東京での最高トップスピード(時速64km)を更新できそうな気がしますが、危ないのでチャレンジはしないようにしておきます。

山道でブレーキを酷使しまくった結果、前輪のインナーワイヤーが若干ほつれてました...危うい。

インナーワイヤーの寿命は2〜3年ぐらいらしいので、元々そろそろ変え時ではあったのですが、最近の山岳アタック(下り)で一気に逝ってしまったようです。ついでに、インナーリードという可動部上部の部品の金属部分も破けていました。

という訳で、インナーワイヤーを交換の為、近所のホームセンターで以下の部品を購入:

  • Vブレーキ用インナーワイヤー(伝導部の金属線 ※コレがほつれた)
  • Vブレーキ用インナーリード(可動部の金属 ※コレの端っこが破れていた)
  • ワイヤーエンド(これはインナーワイヤーに付いていたので買う必要無かった...)
  • KURE5-56(本当はワイヤーグリスを塗布する必要があるらしいが売ってなかったので)

部品代は全部で2,000円ぐらい。

参考までにネットで見つけた同じような製品の通販リンクを張ってますが、実際に買ったのは別の製品です。(全部モノタロウで揃えればもっと安く調達できたのか...)

ブレーキワイヤー関連の部品としては、他にもアウターワイヤー(ストローみたいなヤツ)とアウターキャップという部品もありますが、それらは損傷が無いので古いヤツをそのまま使用しました。(アウターはそんなに負荷が掛からないので滅多なことでは壊れないっぽい)

ブレーキワイヤー交換の難度は、タイヤ交換よりも大分楽な印象です。

なお、お店で修理を依頼することもできるらしいです。

スポーツ車のブレーキワイヤー交換の相場は1,320円とのこと。

高いな...ついでにこれは基本工賃のみで部品代は別らしいです。

多分、部品代込みで最小2,000円ぐらい、前輪後輪同時なら4,000円ぐらいでしょうか。

「ご一緒にポテトはいかがですか?」的なノリで色々とオプションが追加されると思うので、なんやかや5,000円以上出すことになると思います。

実際、Google Mapで自転車屋のレビューを見ていると「頼んでない修理を勝手にして請求された」みたいなトラブルがチラホラ見受けられます。

同意なく勝手に修理するのはダメですが、消耗部品は定期的に交換した方が安全なので、修理する時はピンポイントでお願いするのではなく、一緒に点検もお願いした方が良いとは思います。

自力で点検できれば点検費用と工賃が無料で、交換する部品も最小限のコストで済むことに加え、自分で修理できると愛着も湧いてくるので長持ちするような気がしないので、なるべく自力点検 & 自力修理できた方が良いと思います。

私の経験上、自転車で壊れやすい箇所は、

  • タイヤ(パンク)
  • チェーン(切れる、オイル切れでガタつく)
  • シフター(切れる、オイル切れでガタつく)
  • ブレーキ(ワイヤー切れ, リムが擦り切れる, ディスクブレーキの油圧故障)
の4点で、タイヤ、チェーン、シフターは最悪走行中に壊れても安全に止まれるので良いのですが、ブレーキが壊れるとかなりキケンなので、自己点検する場合、一番入念にチェックする必要があるのはブレーキかなと思われます。

平坦な東京ではブレーキワイヤーの損耗が大したこと無かったからあまり頻繁にチェックしてなかったのですが、これからはマメにチェックした方が良さそうだなぁ...と。

2022年10月1日土曜日

金利上げれば物価下がるのか?

最近、円安やその原因の日米金利差などが話題で、FRBは景気悪化も辞さない覚悟で金融引締を断行(参考)のようなニュースをチラホラ聞きます。

米国が金融引締を行う理由は物価の高止まり(インフレ)を抑えるためという話を金融ガチ勢からよく聞きます。ただ、割とそもそも論なんですが、政策金利引き上げでインフレが収まるという理屈が「風が吹けば桶屋が儲かる」という風に聞こえます。

コチラのサイトで説明されている理屈によると、

  1. 過度な景気上昇
  2. 政策金利を上げる
  3. 資金調達が困難(資金不足)になる
  4. 生産・設備投資が縮小
  5. 業績が悪化して不景気になる

という感じのようです。

不景気になれば安くしなければ商品が売れなくなるからインフレが収まる筈...というのがFRBの見立てだろうと想像していますが、生産・設備投資が縮小すれば市場流通する商品の数が不足すること(需給バランスの悪化)で物価が逆に上がることもあるように思われます。

現在の米国物価の高止まりの原因は、

  • ウクライナ戦争による穀物や燃料等の一次産品不足(需給バランス悪化による価格上昇)
  • 感染症の影響(上海ロックダウン等)によるサプライチェーン混乱(需給バランス悪化による価格上昇)
  • エッセンシャルワーカーを中心とした労働者不足による賃金上昇(コスト上昇による価格上昇)

辺りに起因していると思われるので、政策金利引き上げでそもそもインフレ退治ができるのか?と以前から少し疑問でした。

という訳で、2022年1月〜9月の政策金利と物価指数(CPIとPCE)を偏差値化して比較してみたところ、一定の効果があるように見受けられます。

  • CPI: 消費者物価指数
  • PCE: 個人消費支出
(数値データ)

年月政策金利CPIPCE
2022/10.25%7.00%5.80%
2022/20.25%7.50%6.00%
2022/30.50%7.90%6.30%
2022/40.50%8.50%6.60%
2022/51.00%8.30%6.30%
2022/61.75%8.60%6.30%
2022/72.50%9.10%6.80%
2022/82.50%8.50%6.40%
2022/93.25%8.30%6.20%

5〜7月は政策金利/CPIともに上昇傾向でしたが、8月以降はCPIがピークアウトしたように見受けられます。政策金利を上げ始めたのが5月あたりなので、CPI下落までに3ヶ月程度ラグがあった感じかなという様子でしょうか。

PCEについてはCPIよりも振れ幅が大きい印象ですが、概ねCPIと相関関係がありそうです。(CPIの動きをよりダイナミックにした感じで変動している?)

通常0.25%づつ引き上げる政策金利を2段飛ばし(0.75%)で引き上げし始めたのは6月からなので、9月分のCPI/PCEの下落具合は「2段飛ばししている割にはちょっと低い」かもという印象があります。ラグタイムがキッカリ3ヶ月という訳ではないので、もう2〜3ヶ月程度様子を見ないと分からないですが。

2022.10.13に発表される数値(9月分)は、さてどんな感じになるかなと。

2022年9月30日金曜日

ストリーミングゲームはどうすれば上手くいくのか

Stadiaがサービス終了するようですね。

https://blog.google/products/stadia/message-on-stadia-streaming-strategy/

私は3年前のローンチ前からこの日を予期していました。

https://suzukiplan.blogspot.com/2019/03/blog-post_20.html

思っていたよりも長く続いたなというのが率直な印象です。Googleの中の人は頑張ったんだろうなと思います。お疲れ様でした。

Stadiaはどうすればどうすれば上手くいったのだろうか?

上記の記事では要約すると「価格の問題ではないか」と指摘してます。つまり、StadiaをYouTubeプレミアムと抱合せ販売するか、CMを再生すれば無料でプレイできるとかにすれば良いのではないかと。

しかし、そういった試みをすることなくサービスクローズするということは、仮にそういったことをしても十分な売上が確保できないといった判断がなされたのかもしれません。(これから来る冬の時代に備えた不採算部門の切り離し...という経営戦略的な匂いもしないこともないですが)

YouTubeでゲーム実況動画を視聴して、面白そうだと思ってPlayボタンを押せば5秒と掛からずゲームがプレイできるという体験は一見筋が良さそうに見えますが、実はそれがそもそもミスリードだったのかもしれません。

プロ野球の試合を観戦していると野球で遊びたくなってウズウズしてしまい、バットを持って河川敷へ遊びに行くタイプの人は恐らくマイノリティで、大半の人はビール片手に観戦だけしたいと考えているものと思われます。だから、プロ野球のドームの近所に草野球が出来る手頃な河川敷(Stadia)が無くても問題無いと考えられます。

また、私は購入したゲームを骨の髄までしゃぶり尽くす(何なら逆アセンブルして実装方法まで調べる)タイプですが、それも実は少数派なのかもしれません。知人のゲームオタクの中に一定数「積みゲー」をする人が居ます。ゲーム自体好きで買うものの、プレイを後回しにして只管タンスの肥やしを増やしていくタイプです。実はそういうタイプの人の方が多いかもしれません。全く遊ばずに積むのはアラブの富豪だけかもしれませんが、少し遊んでクリアもせずに遊ばなくなる人は実際結構多いと思います。私は律儀に全部クリアするのは当然として何なら完全攻略も目指す場合もあるので、未だにスーパーファミコンから抜け出せないのですが、そんな人ばかりではゲーム業界は商売あがったりな筈。

要するに、大半の人はゲームを「何となく遊びたいけどプレイするのが面倒くさい」と思っているのではないかなと推察しています。この推察は最近思いついたものではなく、以前個人でスマホ用のゲームを開発していた頃、「放置系」というジャンルのゲームが流行っている様子を見て考察したものです。

「如何にプレイさせずに没頭させるか」

その軸でゲームデザインを考えた時、私の思考はショートしてしまいました。

私は昔からスポーツは観戦よりもプレイする方が好きで、ゲームもプレイする方が好きだったので、そういうモノを考えることは無理だと悟りました。(東方VGSは意図せずその軸に乗っているかもしれませんが)

ストリーミングゲームの仕組み自体は面白いと思いますが、ビジネス的に筋が良い(マジョリティに刺さる)やり方は全く思いつきません。

ただし、友人に「おーい磯野!野球しようぜ!」と誘われた時、スケジュールさえ問題無ければ付き合う人が大半(マジョリティ)だと思われるので、ゲームプレイを誘うコラボレーター的な仕掛けがあればStadiaは上手くいったのかもしれません...具体的なフラッシュ・アイディアは思いつきませんが、少なくともそのシーンでは「ストリーミング再生できるデバイスしか持っていなくてもゲームプレイできる」という要素の重要性が高まります。

2022年9月28日水曜日

AIによる再現可能性を断ち切る方法

前々から現在普及しているAI(ディープラーニング)について色々調べていたのですが、音楽方面では恐らく、

  • 耳コピによる楽曲の完全再現
  • それっぽい音楽の自動作曲
あたりなら普通にできる日が来る筈だと思っています。

耳コピAIについては以前記事で書いてます。

そして、自動作曲AIについては既にサービスが存在するようです:

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000070769.html

絵画方面ではAIがキーワードから自動的にそれっぽい絵を生成するサービスが注目されています。

最近では、米コロラド州で開催されたアートコンテストでAIが描いた絵が優勝したりとか。

https://artnewsjapan.com/news_criticism/article/412

絵画や作曲のスキルは、プロなりのトレース(特徴抽出)をしながらスキルを盗み、それを各々少しづつ自己流にアレンジしていくことで、独自の画風や曲風なりにしていくアプローチで身につけていくのが一般的だと思われます。

一見するとそれは、ディープラーニングの学習アプローチと近いと思われるかもしれませんが、「少しづつ自己流にアレンジ」という部分が多分ディープラーニングでは再現不可能なので、それにより作られたコンテンツは(少なくとも世に出るまでの間は)AIに真似されることは無いと思われます。

世に出てウケたら速攻で学習される訳ですが、順序が「人→AI」にしかならない(できない)点はとても重要です。

アート自体の良し悪しも評価構成要素として重要なのかもしれませんが、結局のところ「誰が創ったか」が重要です。例えば、ゴッホが描いた絵は高く売れるけど、全くの別人が描いたゴッホっぽい絵が何億円といった価格で取引されることは無いと思います。

Wikipedia によると、カメラで最初に写真が撮影されたのは1826年〜1827年ごろとのことです。印象派が流行りだしたのはちょうどその後ぐらいからですね。写真の登場により、見たモノをそのまま描く写実画のスキル価値が大幅に低下したため、印象派が発展したとする説もあるようです。

AIの登場は、カメラが登場した1800年代当時の状況と割と似ている気がしています。

1800年代のゲームチェンジの時は「こうすればカメラでは再現できない筈」というアプローチで印象派が誕生したものと想像していますが、AIによるゲームチェンジも「こうすればAIでは再現できない筈」というアプローチが正解かなと。

既存絵画や音楽の単純な「特徴抽出」だけではAIにより再現可能なので、「少しづつ自己流にアレンジ」を深化させることが、AIによる再現可能性を断ち切る方法だろう...というのが今の所の私見ですが、もっと別のやり方もあるかもしれません。

「AIによる再現可能性を断ち切る方法」というのは単なるタイトル詐欺で、確立した方法はまだ分かりません。ただ、ゲームチェンジを悲観するのは無意味で、それを受け入れつつ無効化する何かを考えながら創作活動を続けていくことが、クリエイターに求められる素養なのではないか?という単なる精神論です。

2022年9月23日金曜日

業績分析: サイバーエージェント

ゲーム業界ではないかもしれませんが、実質ゲームの売上がずば抜けていることで有名なサイバーエージェントの業績分析をしてみます。

【P/L】

売上と利益の偏差値をグラフ化したものを示します。

主要ヒットタイトルとAbemaTV(ABEMA)の先行投資期間を分かりやすくしてみました。

スマホ対応(2013.05)以前もガラケーのソーシャルゲームとブログで荒稼ぎしているイメージがありましたが、2007年〜2012年あたりも利益率の高い成長をして順調に成長していたことが窺えます。

スマホ対応した当初の決算(2013.09)では営業損失を計上していますが、高い経常利益を出して当期純利益は黒字をキープしています。(恐らく、株を売るなどしてとりあえず赤字を回避したようです)

その後、2016年あたりまでは順調に利益率が高い成長をしていましたが、2017年あたりから利益率の偏差値が大幅に悪化しています。

ですが、2021年2月にリリースしたウマ娘により約半期(7ヶ月分)しか計上していないにも関わらず利益偏差値80オーバーの急激な回復をしています。

【メディア事業P/L】

2015.09以降の決算では、AbemaTVの先行投資でガンガン資本投入しています。

以下、メディア事業単体の売上と営業利益です。

メディア事業(AbemaTV)への投資を継続した結果、売上全体に占めるメディア事業の売上高構成比率が2015年の7.42%から2021年の12.43%まで順調に伸びています。

丸6年やって構成比率12.5%(+7%)ということは、単純な線形予測で12年後に19.5%、24年後に33.5%で、構成比率が少ない時ほど少ないコストで構成比率を上げることができる点を勘案すると、投資対リターンのパフォーマンスが随分低い印象です。

売上は2020.09以降から本格的に伸び始めているので「まだこれから」なのかもしれませんが。また、他事業(広告・ゲーム)へのシナジー効果等もあるかもしれないので、単純な単体業績では測れないところもあるかもしれません。

【メディア除外P/L】

2015年以降のメディア事業の売上高と利益(損失)を無かった状態にして、売上と当期純利益の偏差値グラフを作成してみました。

すると、売上と利益がかなり相関するようになったことが分かります。

ただ、2017.09 〜 2020.09 の 4期 の偏差値ギャップ(当期純利益率の悪化)がやや目立ちます。(2020.09は巣ごもり需要もあって若干回復してますが)

この利益率が悪かった期間はシャドーバース、バンドリ、プリンセスコネクトReあたりの収穫期と重なると思います。それらのゲームは客観的に見て結構ヒットしていたように見えたのですが、利益貢献という意味ではイマイチ旨味が無かったように見えます。

ソーシャルゲームの場合、売り切りのゲームソフトと違って古いタイトルでも安定的に収益を出せる資産性のようなものがありますが、運営にもコストが掛かるのでそれが徐々に利益を圧迫しているのかもしれません。(黒字だから切るに切れない→維持にHRが割かれる→パフォーマンス低下→利益率悪化...かな?)

ウマ娘が一気にそれらを帳消しにしているようですが。

ゲームで経営成績を安定させるのは難しいから次の柱としてメディア事業(主にAbemaTV)を育てていく事業戦略なので、今後メディア事業が成長できるかどうかが投資判断のポイントかと思われます。

【AbemaTVの可能性】

ざっくり、テレビ、YouTube、Netflix、TikTokあたりと同じ動画コンテンツを配信するプラットフォームですが、基本的にやっていることはテレビと同じです。(スマホ版テレビ?)

AbemaTVのビスネススケールできる収益モデルは基本テレビと同じ企業広告だと思われます。また、過去動画をオンデマンド視聴できる有料会員サブスクリプションもあるので、テレビよりも収益性は若干良いかもしれません。

  • 収益モデル
    • Ads
      • YouTube
      • テレビ
      • AbemaTV
      • TikTok?
      • ニコニコ動画(※おまけレベル?)
    • Subscription
      • Netflix
      • YouTube(※おまけレベル?)
      • AbemaTV(※おまけレベル?)
      • ニコニコ動画

また、YouTubeやTikTokは一般ユーザーも配信できるUGC(User Generated Contents)という違いもあります。テレビ、AbemaTV、Netflixとの違いは、コンテンツ(動画)の作成コストを運営が負わなくても、ユーザーが勝手にコンテンツを配信してくれることです。

  • コンテンツ制作モデル
    • UGC
      • YouTube
      • TikTok
      • ニコニコ動画
    • プロがコンテンツ制作
      • テレビ
      • AbemaTV
      • Netflix

あとは、大きいのは商売している地域ですね。AbemaTVはテレビと同じなので日本ドメスティックです。日本語の動画コンテンツを海外でヒットさせるのは基本無理だと思います。例外的にヒットするレアケースも無くは無いかもしれませんが、言語の壁は大きいです。

  • 地域
    • ドメスティック
      • テレビ
      • AbemaTV
      • ニコニコ動画
    • グローバル
      • YouTube
      • TikTok
      • Netflix

ビジネスインパクトの大きさは、収益モデル < コンテンツ制作モデル < 地域 だと思います。

収益モデルはその時の状況に応じて変更することができるので、ビジネスインパクトはそれほど大きく無いと見ています。

コンテンツ制作モデルも、プラットフォームが成熟するとUGCとプロ制作コンテンツの差は実質無くなる傾向があります。サービス運用初期のコンテンツ確保や慢性的にコンテンツを制作し続けるランニングコスト(止まれば死ぬ)という点でUGCがやや有利かもしれません。テレビやAbemaTVのようにライブストリーミングでコンテンツを垂れ流し続ける必要があるタイプは運営コストが無駄に高いのでやや不利と見ています。

実際、収益モデルとコンテンツ制作モデルが異なるYouTubeとNetflixの直近の売上高は概ね同じぐらいらしいです。(YouTube: 288億米ドル、Netflix: 297億米ドル)

問題は地域ですね。

【結論】

バンナムの記事でも書いてますが、コンテンツ産業全般の経営戦略として「海外事業の強化」は必須で、ドメスティックでしか戦えないコンテンツ企業は遅かれ確実に淘汰されると思っています。

という訳で、サイバーエージェントの事業戦略は、私が考える事業戦略の方向性と合致していないので、私の投資判断は「投資不適格」となります。(Netflixのようにグローバル展開をする予定があるのかは定かではないですが、国内投資だけで息切れするのではないかと予測)

ゲーム制作会社としては優秀だと思いますが、そのゲームも日本向けのマーケットインに注力しているようなので、グローバルでは厳しいと想定しています。ウマ娘の中国語版とかも出そうている(既に出している?)らしいですが、日本の競走馬のことを1ミリも知らない外国人にはそこまでウケないんじゃないかなと予測してます。

ただし、投資CFについては、事業の成長に合わせて適切に成長できているので、成長可能性のある優良企業(経営自体は優秀)だと思います。

長期視点での成長率の傾向として、Yon10Y(10年前比)の売上高成長率は4.89倍〜5.57倍、Yon5Y(5年前比の成長率)は1.54倍〜2.29倍と順調に成長しています。

ただし、スマホゲーム参入の2013年との比較が始まる2018年以降のYon5Yは鈍化の傾向を示しているため、スマホゲーム依存では成長鈍化する兆候が見られます。(上図では省略してますがYon3Yでも2013年との比較が始まる2016年以降からの成長鈍化の兆候が見られます)

課題は、

  • AbemaTV黒字化(投資やHRのプライオリティを下げる)
  • 新たな事業の柱の模索
  • 社長の後継者育成(社長の藤田さんはまだ49歳と若いですが、社外取締役を除く取締役が、創業メンバーの日高さんとプロ経営者っぽい中山さんの3名体制で、次世代の人が入っていない雰囲気だから、まだ育成着手していない段階と想定)

あたりかなと。

2022年9月21日水曜日

東方VGSのアプリ内課金(広告削除)の価格について

2022年10月5日以降、日本を含む一部地域でAppStoreのアプリ内課金の価格が改訂されます。 

https://developer.apple.com/jp/news/?id=e1b1hcmv

これに伴い、iOS版「東方VGS」のアプリ内課金アイテムの価格が次のように改訂(値上げ)されます。

  • リワード広告削除: 370円→480円
  • ディスプレイ広告削除: 1,220円→1,600円

なお、Android版でも2022年10月5日に日本ではiOSと同価格へ手動改訂を実施する予定です。

また、日本以外の地域におけるAndroid版の価格は、2022年10月5日時点の米ドル為替レート($2.99、$9.99)を基準に自動調整をする予定です。

本家のお値段がだいたい¥1,500(※委託販売の場合)なので、それぐらいの価格をということでだいたい¥1,500よりも少し安くなるように当初価格設定したので、合計¥1,500以下ぐらいになるように調整しようか悩んだのですが、物価や為替は変動するのが当たり前なので「米ドル基準で価格維持」という方針でいきます。

2022.10.06 追記: 米ドルで$13なので¥1,500以下だろうと勘違いしてましたが、値上げ前から既に¥1,500超えていました。送料込みで¥1,590ということで。(値上げ後は¥2,000超えるのか....ちょっと高すぎる感)

業績分析: スクウェア・エニックスHD

ゲーム業界大手のスクウェア・エニックスHDの業績分析をしてみました。

【P/L】

概ね右肩上がりの成長をしています...ただ、バンダイナムコHDと比べると当期純利益と売上の偏差値ギャップが激しく、2009.03以前は利益率が高く、2010.03以降は利益率が低い傾向が目立ちます。

また、2011.03は営業利益が黒字なのに当期純利益が赤字になっている謎の状態です。

(2011.03決算)※偏差値ギャップ = 11.1

  • 売上: 1252億7200万円(偏差値42.2)
  • 営業利益: 73億2500万円(偏差値38.8)
  • 経常利益: 53億9000万円(偏差値38.4)
  • 当期純利益: △120億43万円(偏差値31.1)

これは、主にのれんの減損損失の計上(約88.5億円)によるもののようです。のれんの減損損失は、過去のM&Aで儲かると見越した額に届かなかった額を損失計上することです。(節税スキームかな)

ただし、前期よりもトータルの特別損失額は低い(2010.03の特別損失は179億で、2011.03は160億)ので、人気タイトル(FF14)の発売延期による減収減益が響いたようです。

ただし、ここから丸5年間、売上偏差値40台の低水準の暗黒期が続き、2016.03年になってようやく2010.03の売上を超えることができた業績結果から見るに、仮にFF14がオンスケで販売できたとしても、結果的にダメだったであろうことが予測できます。

2013年の偏差値ギャップも激しく、営業利益(本業の利益)でも赤字を掘っています。

(2013.03決算)※偏差値ギャップ = 15.5

  • 売上: 1479億8100万円(偏差値45.0)
  • 営業利益: △60億8100万円(偏差値29.5)
  • 経常利益: △43億7800万円(偏差値32.4)
  • 当期純利益: △137億1400万円(偏差値29.9)

決算短信によると「開発方針の変更、組織体制の見直し、一部ビジネスモデルの変更等による特別損失」が主要因とのこと。恐らく、その体質改善により、2014年以降の業績が回復したものと思われます。

特にひどい偏差値ギャップは2011.03と2013.03ですが、その他にも計測期間(19期)全体で7期(約36.8%)に目立つ偏差値ギャップが出ています。通常、本業に専念していれば売上と利益の偏差値はキレイに相関するので、偏差値ギャップが出ることは好ましくありません。

【投資C/F】

投資C/Fは基本マイナスで徐々に右肩下がり(増額)になっているのが理想形なので、これはダメなパターンです。

基本マイナスになる筈の投資C/Fが5億円ぐらいプラスになっている2005.03の決算短信を確認したところ「国債の満期償還などによって投資有価証券の売却による収入が 22 億 61 百万円、有形固定 資産、無形固定資産の取得による支出が△16 億 81 百万円」とのこと。2005.03は業績が赤字になりそうだった訳ではないので投資が不十分な謎の状態です。

2011以前のジェットコースターのような変動は完全に謎でしたが、2012年以降はだいぶマシになった感があります。2013年3月に社長交代があったようなので、恐らくそれが原因だろうと考えられます。ただし、2012以降も業績が良い2019.03〜2021.03の間に投資シュリンクしているので、企業の成長能力について疑問が残ります。前任社長の下手な博打がトラウマになっているのかもしれません。

以上のことからスクエニ株に対する私の投資判断は、任天堂と同様「投資不適格」という結論になります。

【余談】

2005.03決算短信の「2. 経営方針」に「当社は、株主に対する利益還元を経営の重要政策の一つとして位置づけており、今後、既存事業の拡 大、新規事業の開拓等を目的とした設備投資や買収など、当社の企業価値を高めるための投資を優先し、そのための内部留保を確保します。」とあります。

またこのパターンか...それならそもそも公開株式市場に上場すべきではないと思います。ゲーム会社の人は公開株式市場をスコアアタック大会か何かと勘違いしているのでしょうか。ゲーム会社に限らずそういう企業は結構多い印象ですが、何故上場しているのか今一度しっかり考え直した方が良いと思います。上場維持するにも結構コストが掛かるので。

【まとめ】

P/Lを見る限り2015年以降は順調に成長をしているように見えるので、私の判断が的外れかもしれません。

私は、サラリーマン生活で貯めたケチなお金の使い道が無いから投資をしているだけの素人なので、的外れの可能性が高いと思います。だから既にスクエニに投資されている方は心配しなくて良いと思います。

「ドラクエやFFの続編が遊びたい」といった純粋な動機があればスクエニの株を買うのはアリで、それが金融の本質だと思っています。私の中ではドラクエは5、FFは6で完結していて、もう新作もリメイクも欲しいと思わないので、投資をする動機がありません。

【金融の本質】

株式投資とは単なるお金を使ったゲームですが、パチンコ、競馬、FXなどのギャンブルとは根本的に異なる点があります。

パチンコ等のギャンブルは勝っても負けても何も生産されません。単にお金が減ったり増えたりするのを楽しむだけの無意味なゲームです。しかし、株式投資は私の(使い道の無い)お金を有効に使ってすごく優秀な人達が頑張って何某かを生産してくれます。額面のキャピタルゲインや配当はその副産物に過ぎません。

私は商売が基本ヘタクソ...というか、儲けとかよりもフィロソフィーとかばかり重視してしまう傾向があるので、一応サラリーマン業とは別に商売(個人事業)もしてますが、個人事業ではサラリーマン業ほど儲かっていません。個人事業はむしろ儲からなくても良いと思いながらやっているので(資本主義の世界では)生産効率が悪い無能です。だから、商売は商売が得意なフレンズたちに頑張っていただく方が生産効率が良いと考えています。

ここ数日間、任天堂、バンナム、スクエニの業績分析をした結果、その3社の中ではバンナムが一番優秀そうに見えます。

ただし、バンナムの分析記事で投資適格の判断を下しながら「少なくとも現時点ではバンナム株は1株も持っていませんし、今の所買う予定もありません」と書いた根拠は、スクエニと同じく「株を買う動機が無いため」です。

単純に株でお金を儲けたいだけなら、バンナム株ならポートフォリオに組み込んでも良いと思います。(そして、トータルパフォーマンスだけなら個別株よりインデックスの投資信託やETFの方が良いと思います)

昔のnamcotのゲームは好きだったのですが、最近のゲームはバンナムに限らず魅力を感じません。(任天堂のゲームは別軸で魅力的ですが)

ゲームを卒業した訳ではなく、素人が個人制作してSteamとかで売られている同人ソフトとかは魅力的なものが一定数あるので、大人数のチームで工業的に作られたゲームよりも、1人か多くても3人(グラフィック、サウンド、プログラムに各1人)ぐらいで作られた「作家性が垣間見える作品」が好きなようです。

ただし、その路線ではビジネススケールが難しいのか商売向きではないらしいことは何となく理解しています。ですが、ゲームと違って漫画や小説などの作家性が垣間見えるものしか基本ヒットできない傾向が見られるコンテンツも存在するので、やり方次第では何とかなる気がしないでもないです。実際、Valve Corporation(ワシントン州)が運営するSteamはかなり上手くいっているらしいという噂をチラホラ聞きます。上場企業ではないので実態は不明ですが(参考)。しかし、日本の大半のゲーム企業はその方向を向いていないようです。

だから、ゲーム企業(株式会社)に投資しても、私が好きなタイプのゲームが作られることはないから「ゲーム企業の株は例え優良であっても買う予定はない」という結論に至ります。

バンナムの分析記事で「私が実際に売買をする時は主に定性的な論点でもっと煮詰めたレビューをします」と書いた「定性的な論点」というのがそこです。

例え評価損を抱えて何年間も塩漬けしたとしても「別に良いか」と思える銘柄に投資するのがベストで、業績評価等の定量的な論点での分析は、無能な企業の株を掴まないための単なる足切り手段です。

そして、資本を貸す以上は最低限のパフォーマンスは求めます。

IPO(公開市場への上場)をしている企業にも無能な企業は結構多いので、チェックは必須です。その一方、最低限のパフォーマスンスを出せる可能性がある最低限の足切りラインがIPOなので、IPOしていない企業の非公開株の第三者割当増資、私募ファンド、合同会社スキームなどは論外です。

合理的ではないものを作りたい

ここ最近、実機版の東方VGSの開発が忙しくて、東方VGSの曲追加が滞っています。 東方VGS(実機版)のデザインを作りながら検討中。基本レトロUIベースですがシークバーはモダンに倣おうかな…とか pic.twitter.com/YOYprlDsYD — SUZUKI PLAN (...