最近、円安やその原因の日米金利差などが話題で、FRBは景気悪化も辞さない覚悟で金融引締を断行(参考)のようなニュースをチラホラ聞きます。
米国が金融引締を行う理由は物価の高止まり(インフレ)を抑えるためという話を金融ガチ勢からよく聞きます。ただ、割とそもそも論なんですが、政策金利引き上げでインフレが収まるという理屈が「風が吹けば桶屋が儲かる」という風に聞こえます。
コチラのサイトで説明されている理屈によると、
- 過度な景気上昇
- 政策金利を上げる
- 資金調達が困難(資金不足)になる
- 生産・設備投資が縮小
- 業績が悪化して不景気になる
という感じのようです。
不景気になれば安くしなければ商品が売れなくなるからインフレが収まる筈...というのがFRBの見立てだろうと想像していますが、生産・設備投資が縮小すれば市場流通する商品の数が不足すること(需給バランスの悪化)で物価が逆に上がることもあるように思われます。
現在の米国物価の高止まりの原因は、
- ウクライナ戦争による穀物や燃料等の一次産品不足(需給バランス悪化による価格上昇)
- 感染症の影響(上海ロックダウン等)によるサプライチェーン混乱(需給バランス悪化による価格上昇)
- エッセンシャルワーカーを中心とした労働者不足による賃金上昇(コスト上昇による価格上昇)
辺りに起因していると思われるので、政策金利引き上げでそもそもインフレ退治ができるのか?と以前から少し疑問でした。
という訳で、2022年1月〜9月の政策金利と物価指数(CPIとPCE)を偏差値化して比較してみたところ、一定の効果があるように見受けられます。
- CPI: 消費者物価指数
- PCE: 個人消費支出
5〜7月は政策金利/CPIともに上昇傾向でしたが、8月以降はCPIがピークアウトしたように見受けられます。政策金利を上げ始めたのが5月あたりなので、CPI下落までに3ヶ月程度ラグがあった感じかなという様子でしょうか。
PCEについてはCPIよりも振れ幅が大きい印象ですが、概ねCPIと相関関係がありそうです。(CPIの動きをよりダイナミックにした感じで変動している?)
通常0.25%づつ引き上げる政策金利を2段飛ばし(0.75%)で引き上げし始めたのは6月からなので、9月分のCPI/PCEの下落具合は「2段飛ばししている割にはちょっと低い」かもという印象があります。ラグタイムがキッカリ3ヶ月という訳ではないので、もう2〜3ヶ月程度様子を見ないと分からないですが。
2022.10.13に発表される数値(9月分)は、さてどんな感じになるかなと。
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