東方VGSで「東方星蓮船 〜 Undefined Fantastic Object.」よりナズーリンのテーマ「小さな小さな賢将」を配信しました。(Pull Request)
Apple Music の原曲はコチラ。
今回はナズーリンのテーマ曲ということで、諸説ある「ナズーリンの元ネタ」についての新説を勝手に妄想してみます。
以下の内容は、Wikipediaでいうところの 独自研究 に相当しますので色々とご注意ください。(このブログのタイトルからお察し頂けるとは思いますが念の為)
ニコニコ大百科では、十二支のねずみが賢いというエピソードを元ネタの説として支持しているようです。なるほど。
私はナズーリンという名前の由来が気になりました。
ネズミ→ネズーミン→ナズーリンとする説もありますが、ナズーリン نسرين (ペルシア語)は英訳すると wild rose(野ばら)という意味で、Wikipediaによるとイラン人女性の名前としてポピュラーらしいです。
日本の人名で言うところの優曇華...ではなく「花子」あたりでしょうか。
ナズーリンはスパイという印象が強いキャラクターなので、当たり障りのない名前ということで花子(偽名)なのか、または反乱軍のスパイの合言葉(のばら)をヒントにしているかは定かではありません。折角だらか私は、普通に考えればミスリードっぽいけど面白そうな前者「ナズーリン花子説」を支持してみます。
「ねずみ」+「花子」というキーワードと「星蓮船の体験版リリース(2009E)以前の文献」をヒントにリサーチしてみたところ、何故か村岡花子さん著の童話集(1938年出版)にたどり着きました。村岡花子さんは赤毛のアンの翻訳本などで有名な作家さんで、日本クリスチャンペンクラブの初代会長などもされていた方です。
その童話集の表紙にはかわいらしいネズミが描かれていて、何やらステッキと思しきものを持っています...ダウジングでもしているのでしょうか?
※童話集のスクショを貼って解説したかったのですが、この文献は2039年まで著作権が有効なので、残念ながらスクショ掲載はできません...(気になる方は国会図書館でタダで見ることができるので、そちらをご参照ください)
目次で収録タイトルを確認してみたところ、「ミッキー・マウスのお手柄」という中々攻めたタイトルが収録されてました(やぁ)。大雑把な粗筋としては、「日本在住の米国人メリー(幼女)が近所に引っ越してきた日本人(幼女)と友達になるためミッ○ーマウスの人形を使ったら上手くいった」というほのぼのしたストーリーでした。こういう文章を書けるようになりたいものです。
戦前の日本だとまだ外国人は珍しいので、外国人を見るとついつい「スパイかな?」と疑ってしまいがちです。もちろん、スパイじゃない人が大半ですが、有事中でなければスパイも一定数存在します。
童話集が出版された年(1938)は、満州国建国(1932)から6年後、太平洋戦争の宣戦布告(1941)の3年前なので、時期的にはABCD包囲網の真っ只中です。なので、史実上「有事リスクが極限まで高まった有事前」という、スパイが特に多かったと考えられる時期です。
ジョーカー・ゲームという人気のスパイ小説(2008年8月末出版)に、日本で諜報活動をする米国人スパイ(ジョン・ゴートン)のエピソードがありますが、その時期設定もだいたい同じ頃(1939年)ですね。
ジョーカー・ゲームによると「スパイは疑われた時点で失敗」らしいので、戦前の閉ざされた海洋国家日本での諜報活動は大変だったんだろうなぁ...と、当時のスパイの気持ちになって「ミッキー・マウスのお手柄」を読むと、ほのぼのストーリーの外側にやや複雑なメタ・ストーリーが見えてきます。
スパイというと危ない人だと思われがちですが、無益な戦争は起こさせないように内側からコントロールするという側面もあると思います。
今の日本では外国人は珍しくないので、スパイが安全に仕事できる良い世の中になったと思います。
スパイは時代劇のサムライと違って現代の日本にも普通に居ます。
以前都心に住んでいた時、早朝のゴーストタウンのような銀座を街歩きしていると結構な頻度でネズミを見かけたのですが、もしかするとあのネズミたちもナズーリンが使役する諜報ネズミだったのかもしれません。