2022年9月15日木曜日

決算短信の読み方

基本的に投資はインデックス系の投資信託かETF推奨です。ただし、不景気局面では含み損が続く期間を許容する胆力が必要になります。最終的に上がってくれれば問題ないですが、確実に最終的に上がる保障は無いので、そういったリスクを許容できる範囲で定期・定額(ドルコスト平均法)で積み立てていくのが良いと思います。

その上でまだ余裕資金があるなら、思い切って個別株も組み入れてリスクヘッジするのも悪くはないというのが私見です。

個別株を購入する時、対象企業のB/S(資産)、P/L(損益)、C/F(お金の流れ)などの情報を決算短信からチェックします。

決算短信には色々な数値が載っていて全部重要な数値ですが、とりあえず売上高、営業利益、経常利益、当期純利益、1株あたりの当期純利益、総資産、自己資本比率、投資キャッシュフローだけ通期(Q4)のみチェックしておけば大丈夫だと思います。

  • 売上&利益(P/L)→ 会社が儲かっているかどうかの判断指標
  • 総資産と自己資本比率(B/S)→ 会社が潰れやすいかどうかの判断指標
  • 投資C/F → 会社が成長できるかどうかの判断指標

そして、以下のような業績の銘柄は、投資不適格として弾きます。

  • 売上が右肩下がり
  • 利益が右肩下がり
  • 資産が右肩下がり

という訳で、結構面倒ですが決算短信からスプレッドシートにそれらの数値をひたすら転写していきます...(面倒だから必要な数値情報を規定書式のJSONで公示するルールにして欲しいところ)

※上図はとある銀行の業績なので、売上高=経常収益、利益=経常利益

一通り転写できたら、売上高と利益の偏差値を求めます。

【例: B2の偏差値をC2で求める場合の計算式】

=(B2-AVERAGE(B$2:B$9999))/STDEV.P(B$2:B$9999)*10+50

上記の式をC2へ入力すれば、あとはオートコレクトやコピペで簡単に全部入力できます。

偏差値を求めることで、「売上が良かった年」「営業利益が良かった年」「経常利益が良かった年」「当期純利益が良かった年」などが(※もちろん、逆に悪かった年も)ひと目で分かるようになります。

そして、その年の数値が「何で{良かった | 悪かった}のか?」という情報を決算短信の概況テキストから調べます。

例えば、日立製作所の決算短信から営業利益の偏差値を(かなりザックリと)分析すると下図のようになります。

観測期間の中間点が偏差値50、中間点より過去が50以下、中間点より未来が50以上という右肩上がりの状態であることが望ましいです。

日立製作所の場合、金融危機でこの観測期間内で最悪の営業利益(損失)を計上してますが、そこから順調に回復できていて、コロナショックの業績反映タイミングで一瞬落ちましたが、それでもこの観測期間内で偏差値50以上をキープできています。要するに、とても優秀な企業だということが分かります。

もちろん、それでも株を買えば必ず儲かるものでもありませんが。

客観的な経営成績のインプットができたらその企業の 過去の中期経営計画の評価 を行います。それを踏まえた上で、将来に向けた中期経営計画の妥当性を評価した上で「まだ成長できそうか?」を予測して、「成長しそうだ」と思ったら株を買います。

日立の場合はグローバルロジックの買収で2022年3月期に1兆円を超える投資C/Fが発生しているところが直近では最大の焦点ですね。グローバルロジックはだいたい1兆368億円ぐらいらしいので、他の投資を殆ど(100億ぐらいしか)してないから、ほぼ1点張りですね...男前だなぁ(円安拡大前なので結果的に投資タイミングとしてはベストでしたが大丈夫なのだろうか)


最近はIR資料として凝ったパワポのレポートとかを頑張って作っている企業が多いですが、何故そのような無駄な事にコストを掛けているのか理解できません。

決算短信だけで十分だと思います。

パワポ資料は企業サイドにとって都合が良い情報を強調するなど、変なバイアスが掛かっているケースが多いので、読むだけ時間の無駄...とまでは言いませんが、実態的な業績情報をチェックした上で参考程度に読むぐらいで良いと思います。(経験上、そこまで詰めて読むと、得られる有益な情報は無いケースしかなかったので、変に情報分散するよりは決算短信で情報を一元化してくれた方がレビューしやすくて助かります)

なお、パワポ資料は頑張っている割に決算短信は過去5年分しか開示していない...といった企業は基本的にギャンブル性が高いから、そういった企業も投資不適格企業として弾きます。

多分、もっとカジュアル(ラジカル?)な判断をした方がリターンは高くなるので、年間30%以上とかの爆益を叩き出したいスタイルの投資家向けではありません。リターンが高い運用はその分リスクも高いので、景気連動で業績がよくなるハイリスク企業にはインデックスで広く浅く張っておき、個別株をやるならこれぐらい硬めのバランス感覚が良いかなと。

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