2015年3月18日水曜日

VGS音源のオープンソース化について補足

先日、SUZUKI PLAN - Video Game Systemの第三世代(mk-II SR)をリリースしましたが、そこで採用しているオープンソースライセンス2箇条BSD(2 clause BSD)について軽く補足しておきます。

(ライセンス原文)
https://github.com/suzukiplan/vgs2/blob/master/LICENSE.txt

要点としては、

  • ソースコードやそれをコンパイルしたモジュール(バイナリ)を組み込んだ製品のコピーライト表記には、VGS mk-II SRのコピーライト表記を含めること
  • 損害が発生しても(私は)何も保障しない
の2点です。

(VGS mk-II SRのコピーライト表記)
SUZUKI PLAN - Video Game System mk-II SR
Copyright (c) 2015, Yoji Suzuki
All rights reserved.

ソースコードは自由に改変できるので、例えばUnityやCocos2d等で作られたゲームにVGSの波形メモリ音源だけ組み込むということも(コピーライト表記さえ守れば)可能です。

何故、オープンソース化したのか。

東方VGSではマネタイズをしていませんが、この波形メモリ音源の仕組みを独占的に使えば色々とビジネスが出来るんじゃないかと思う一方、この技術がもっと広く使われて欲しいという欲求があり、後者の方が私の中で強かったからオープンソース化することにしました。

VGSの波形メモリ音源は、メモリ容量が小さくて通信速度も遅いスマートフォン用ゲームで、必要十分なゲーム音楽を再生機能を提供する目的で設計したものです。しかし、スマートフォンを取り巻くインフラ環境が想定以上に恵まれていたためか、同じような技術で音楽再生機能を作っているゲームはかなり稀な存在というのが現状です。SUZUKI PLAN製のゲームを除けば、洞窟物語の作者さんが作られたKero Blasterとかぐらいしか思いつきません。それもその筈です。良いモノを作ろうとすれば技術的なハードルが高すぎるし、(VGS音源のように)シンプル過ぎるモノだとクオリティ的に問題があると考えるのが普通なので。

VGSの波形メモリ音源は、「ゲーム用音源」として許される最低ラインのクオリティを目指しました。
しかし、クオリティ面での心配は無いと思います。
その点は東方VGSのヒットが払しょくしてくれたのではないかと思うので。

ただ、今後スマホアプリでVGS音源を使ったサードパーティ製品がどんどん出てくる未来は無いと思っています。そもそも、スマホアプリはもう下火じゃないかと思っているので。次に来る(と私が勝手に思っている)ゲーム業界のパラダイムシフトに乗っかれればベストです。例えば、(具体的にどんなものかは謎ですが)任天堂のNXとか。先日の任天堂の記者発表を聞いた限り、NXはハーフクラウドなゲームプラットフォームになるのではないかと想像しました。ハーフクラウドとなると音楽アセットの取り扱いが問題になりますが、その点はVGSの波形メモリ音源の技術を使えば解決できます。もちろん、現実的に考えればそんな事は100%ないと思います(任天堂ならそもそもVGSが無くても自力で同じようなモノを作れるとも思います)が、そういう未来もあるのではないかと皮算用するのが楽しいです。

要するに、VGSの技術を下手に独占してお小遣いを稼ぐより、こういう夢のある夢を見たいから、とりあえずオープンソース化しておきました。もちろん、任天堂でなくても、VGSの音源システムを使った東方以外の成功事例とかも見てみたいです。

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