2012年7月24日火曜日

効果音の作り方

アマチュアがゲームを作るとき、効果音を自作している人はどれぐらい居るのでしょうか?
ふと、疑問に思いました。
割と有名なフリー素材があり、そこから拝借・・・という手があります。
しかし、私の経験上、自分で作った方が楽です。
素材だと、気に入った音を探すのが大変だし、ライセンス(使用許諾)の縛りも発生するので。
つまり、技術的にも権利云々(著作権とか)でも、自作した方が楽です。

(0)必要な機材

必要なのは、PCと波形エディタソフトだけです。
マイクとかは不要です。
自然音を加工して使いたいのであれば別ですが、ゲームの場合、自然音を使うと逆に不自然。

私は、3種類の波形エディタを使っています。(全部フリーウェア)
効果音エディタ_D
wavy
③Tiny Wave Editor


(1)音を作る


一番大事なことは、「効果音エディタ_Dで目的の音を自在に作れること」だと思います。
適当に弄っていても作れますが、音色の仕組みを理解すれば、ある程度狙って作れます。

a) サイン波
最も基本的な音色はサイン波(下図)です。

効果音エディタ_Dで波形(音色)のところに上図のような線を描き、再生してみてください。
たぶん、「ぽーーー」という感じの丸い音が鳴ると思います。
笛系の楽器の音がだいたいサイン波です。
マイクを持っている人は、笛の音を録音して、1周期(凸と凹の1セット)を見れば分かります。



b) 三角波

サイン波を少し変化させた感じの音色に三角波(下図)があります。
三角波は、概ねサイン波と同じような感じの音です。
ただ、ちょっと鋭い感じになります。
「ぺーーー」という感じでしょうか。
ちなみに、ファミコンのベース音でよく使われるのが、この三角波です。


c) 矩形派

嘗て、電子音といえば矩形派でした。
理由は波形を作るための計算が物凄く簡単なので。
つまり、安価なマイクロチップで処理できます。
AY-3-8190とかのPSG(Programmable Sound Generator)は矩形派ですね。

「ピーーー」という感じの音が鳴ります。
楽器でいうとクラリネットとかよく言われますが、個人的には「?」です。

ポイントは、
・サイン波=ポーーー
・三角波=ペーーー
・矩形波=ピーーー
です。

相違(図では黒線の位置)の変化が大きいと、音が鋭くなるという感じでしょうか。
それだけ抑えておけば、だいたいどんな音でも狙って作れます。
あとは、デューティー比(プラスの相違とマイナスの相違の比率)を調整したり、合成したり等々。


d) ノコギリ波
メロディーとしてよく使われる音色がノコギリ波ですね。
ちょっと、分かり易くするために2周期分のノコギリ波を描いてみました。
サイン波や三角波との決定的な違いは、1周期終わった後の変化量です。
上から下まで一気に降下しているのが分かると思います。
この大きな変化量が、非常に心地よい違和感を与えてくれます。
楽器でいうと、ストリングスとかの音になります。

上図だと、2周期分のノコギリ派を鳴らしますが、単位時間あたりの波の周期の数(周波数)が多くなると、音が高くなります。1秒間に440周期で鳴らせば、オクターブ4のラの音になります。
880周期鳴らせば、オクターブ5のラですね。

効果音エディタ_Dでは、音色と同様、周波数の波(時系列での変化)も編集できます。
あとは、音量の波も編集できます。
そして、これらを弄って目的の音を作ります。
左右の出力バランスも調整できますが、私は効果音は全てモノラルで作るので使いません。

e) ノイズ
あとは、相違をランダムに変化させれば、ノイズになります。
ちなみに、ファミコンで使えるプリセット波形は、三角波、矩形波、ノコギリ派、ノイズの4種類です。

(2)音を加工する

wavyなどのフィルターツールを使い、適当な加工をします。
加工のコツですが、「加工し過ぎないこと」です。
実はこれは結構重要です。
だから、私の場合、加工フェーズで使うフィルターは概ねエコーのみです。


(3)周波数などの調整


私の場合、ゲームで使う効果音は、22050Hzのモノラルと決めています。
そういった周波数の調整をするのに、Tiny Wave Editorが役立ちます。
Tiny Wave Editorは、かつてヤマハのサイトで無料で入手できました。
ただ、最近は配っていないようです。

海外のヤマハサイトを巡回すれば見つかるかもしれません。
ちなみに、私は3年ぐらい前にカナダのヤマハサイトで見つけました。
(一応、まだ無いかチェックしてみましたが、もう無いようです)


(4)効果音を入れるコツ

細かい全ての動作に対して効果音を入れると良いです。
過剰に設定するぐらいがちょうど良いです。
ちょっと邪魔っぽい感じだったら、音を鳴らさなくする前に、音を小さくしてみると良いかも。
ちなみに、SHOT04(NokogiRider)の体験版で使っている効果音は、34種類。
現段階(3面途中)では40種類。
完成版では、少なくとも50種類ぐらいになると思います。

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